本文へジャンプ

若年早期子宮癌(がん)の治療にホルモン放出型IUDが有効

プロゲスチンホルモン放出型子宮内デバイス(IUD)が早期子宮癌(がん)の若齢女性に対する有効な治療法である可能性が報告されました(欧州臨床腫瘍学会(ESMO)誌「Annals of Oncology(腫瘍学)」オンライン版9月28日)。

プロゲスチンホルモン放出型子宮内デバイス(IUD)により、通常の子宮内膜癌治療である子宮摘出術を遅らせ、妊娠が維持できるという利点があります。また副作用が少ないことも評価されています。

今回の研究では、子宮内膜異型増殖症(AEH)患者20例および早期子宮内膜癌患者14例を1996年1月〜2009年6月まで追跡しました。被験者は 20〜40歳で、レボノルゲストレルを放出するミレーナとして知られるプロゲスチンホルモン放出型子宮内デバイス(IUD)を1年間挿入し、エストロゲン産生を停止させるゴナドトロピン放出ホルモン (GnRH)注射を月1回、6カ月間行った。癌のエビデンスが認められなければ、年末にIUDを抜去しました。

研究の結果、子宮内膜異型増殖症(AEH)群の95%で は初回治療で病変が完全に消失し、早期癌群の57.1%も完全奏効(CR)をみました。

子宮内膜異型増殖症(AEH)群の4例が後に 再発し、追加治療を必要としました。早期子宮癌群では、初回治療で完全奏効を示した2例に再発を認めました。しかし全例生存し、追加治療(IUDおよびGnRHによる 治療または子宮全摘出術)を実施後、臨床試験終了時までには目視的に腫瘍の完全消失を認めました。治療による有害作用はなかったといいます。

ニュース目次へ

■本情報・記事の著作権は全て崎谷研究所に帰属します。許可なく複製及び転載などすることを固く禁じます。無断複製、転載及び配信は損害賠償、著作権法の罰則の対象となります。

ページトップへ